冬じゃないのに? しかも冷たいの? そんな驚きを鮮やかに裏切る「スイーツ」がいま、福岡市で人気を集めている。
「冷やすことで甘さが増すんですよ」。そう言うのは、福岡市中央区の焼き芋専門店「蜜家」の店主、米谷直希さん(42)。寒いときに熱々のものをフーフーしながら食べるのが定番だが、この店では「冷やし焼き芋」もある。
糖度の高い茨城産のサツマイモ「紅天使」を使い、低温でじっくり焼いてから、冷蔵庫で数日寝かす。北九州市の青果市場で10年余り働いた経験を生かし、産地や品種にこだわった。
蜜がしみ出し、ねっとりとした甘みが特徴で「塗っているんですか」と言われることもある。「芯まで甘くてお菓子みたい」と何度も通う常連さんも多い。オープン3年目のいまや主力商品に躍り出た。
とはいえ、半信半疑の客もいる。「焼き芋が冷めただけでは」という冷ややかな反応もけむに巻き、店内の冷蔵庫で注文を待っている。100グラム160円(税込み)。(谷辺晃子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル